【司法書士が解説!】相続放棄と入院費用の取り扱いのポイント | 【公式】小田原相続遺言相談室(運営:守屋司法書士事務所)

【司法書士が解説!】相続放棄と入院費用の取り扱いのポイント

相続放棄をお考えの方へ

当事務所のホームページをご覧いただきましてありがとうございます。
守屋司法書士事務所 所長の守屋智義と申します。

被相続人(死亡した人)の入院費の支払いは多額であり、相続人にとって大きな負担になります。 

その時にどうすればいいのか、このページでは実際にご相談いただいた内容を基に解説していきます。

また当事務所では相続放棄をお考えの方へ無料相談を実施しております。
ぜひお気軽にご相談ください。

相続放棄前に入院費は支払うべき?

入院費の請求が病院からあった場合に、相続人は入院費を支払ってしまうケースが多いです。

では入院費を相続人が支払ってしまった後でも、相続放棄をすることは出来るのでしょうか。

入院費用を相続人自身の財産から支払った場合には、被相続人の相続財産を処分したことにはならないと考えられます。

しかし債務の承認になってしまう可能性もあるので、相続放棄するのであれば一切支払わないというのが安全です

被相続人の財産から入院費を支払ってしまった場合には相続放棄が出来ない可能性が高いです。

被相続人の財産から入院費を支払ってしまった場合には個別具体的に事情を聞いて、判断していくことが必要になります。

入院費がある場合でも、相続放棄するのであれば支払をするのをやめておくのが安全です。

相続放棄後は入院費は支払うべき?

相続放棄してしまえば、被相続人の入院費用を支払う必要は一切ありません

たまに相続放棄しても入院費用を支払ってしまう方がいますが、相続放棄してしまえば一切支払う必要はありません。

その為相続放棄後の入院費用の支払いは不要となりますので、相続放棄をされた後に病院等から請求があった際には専門家へご相談いただくことをおすすめします。

入院費を支払わなくてはいけないケース

入院費用の保証人になった場合

入院費用の保証人に相続人がなった場合には、特に注意が必要です。

相続放棄することで、被相続人の入院費を承継することはないのですが、保証人としての支払い義務は消えません。

そのため、保証人となっている場合は入院費を支払わなくてはいけません

もし入院に関して保証人となっている方で相続人となっている場合は早いタイミングで専門家にご相談されることをおすすめします。

配偶者が亡くなった場合

配偶者が亡くなった場合についても遺産相続の有無に関わらず、入院費用支払いの義務が発生する場合があります

民法761条で「夫婦には日常の家事で発生した債務について連帯責任がある」とされているのが理由で、入院が「日常の家事」に該当する場合には、発生した債務(入院費用)を支払う必要が出てきます。入院が「日常の家事」に該当するかどうかはケースバイケースであり、保険外診療や個室料金などで世帯収入に比して高額になる場合には、該当しないこともあります。

ご紹介したいずれのケースも、通常の相続を行うのなら特に問題が発生するようなことではありません。しかし、これらの状況と相続放棄の意思がかち合った場合、法律的に複雑なケースに発展する可能性が出てきます。状況がよく分からない場合、不安な場合などは専門家に相談しつつ、冷静に支払いを進めていくことが大切です。

 

  • 病院から入院費を請求されたときの対処

  • 拒否する

相続人が相続放棄を検討しているのであれば、病院からの入院費の支払いは拒否することをおすすめします。

また、相続放棄をしない場合、遺産から入院費を支払うことも考えられますが、相続人のうち1人が勝手に遺産から入院費を支払うことは紛争の原因となるため、他の相続人の同意を得た上での対処が必要となります。

この場合、同意をした相続人は、「遺産から入院費を支払うことに同意して相続財産を処分した」として、単純承認したものとみなされ相続放棄できなくなる可能性があります。

  • 自分の財産から支払う

  • 相続放棄を行いたい場合、遺産から入院費を支払うことはできないため、自分の財産から支払うことになります。
  • ただ、被相続人の生前の入院費は、本来は相続人の債務として、相続人が法定相続分で相続して負担すべきものであるため、わざわざ自分1人が全額負担する必要はありません。まずは、他の相続人と話し合いをしましょう。
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もし入院費を既に払ってしまった時

相続放棄をするつもりだったのに入院費を既に遺産から払ってしまったという方もいるかと思います。

通常ならば単純承認したとして相続放棄ができないケースが多いです。

しかし、被相続人の生前にかかった入院費や治療費を相続財産から支払ったとしても、単純承認には該当しないとされた裁判例があるため、まずは専門家に相談することをおススメします。

  • 相続放棄を検討する際は入院費の支払いにも慎重さが必要

故人の入院費用支払いは道義的にも心情的にも、早く済ませたい支払いの一つです。

しかし、それと同時に相続放棄を検討する人にとっては、後々取り返しのつかない事態に繋がりかねない、特に慎重に行うべき支払いの一つと言えます。

うっかり単純承認の要件を満たしてしまわないよう、不安がある場合は専門家などと相談しつつ、十分に注意しながら支払うことが大切です。

相続放棄について知っておくべきこと

相続放棄の手続きについて詳しく知ることは、将来のトラブルを避けるために非常に重要です。特に、入院費用などの大きな出費が予想される場合や、相続する財産に借金が含まれている場合には、相続放棄を検討する価値があります。本コラムでは、相続放棄の手続きや関連費用について説明します。

  • 相続放棄とは?

    相続放棄とは、故人の財産や負債を一切相続しないことを決定する手続きです。これにより、相続人は故人の借金や負債の支払い義務から解放されます。しかし、相続放棄は特定の財産のみを放棄することはできず、全ての財産を放棄する必要があります。これには、不動産(土地)も含まれます。

    相続放棄の手続き

    相続放棄の手続きは家庭裁判所で行います。以下は主な手続きの流れです。

    1. 資料の準備:

      • 戸籍謄本:故人の戸籍謄本と相続人全員の戸籍謄本が必要です。
      • 住民票:相続人全員の住民票も準備しましょう(750円の手数料がかかります)。
      • 除籍謄本:故人の出生から死亡までの除籍謄本も必要です。
      • 土地の権利証:相続財産に土地が含まれている場合、土地の権利証も必要となります。
    2. 申請書の提出:

      • 家庭裁判所に相続放棄申述書を提出します。この際に、収入印紙800円が必要です。
      • 郵便切手も別途かかるため、事前に確認しておくことが重要です。
    3. 申立ての審査:

      • 裁判所が提出された資料を審査し、相続放棄が認められるかどうかを判断します。申立てが認められると、正式に相続放棄が成立します。

    手続きの費用

    相続放棄の手続きにはいくつかの費用がかかります。以下はその一例です。

    • 収入印紙代:800円
    • 郵便切手代:申請書の送付に必要
    • 戸籍謄本・住民票の手数料:1通750円程度
    • 費用:相続放棄の手続きの代理を司法書士に依頼する場合、約5万円からが相場です。ただし、具体的な費用は依頼する司法書士によって異なります。

    相続放棄の期限

    相続放棄は、相続の開始を知った日から3ヶ月以内に手続きを完了する必要があります。

  • この期限を過ぎると、相続放棄は認められません。期間内に手続きを完了するために、早めに司法書士に相談することをお勧めします。

  • 司法書士にお願いした場合と弁護士にお願いした場合の費用の違い

相続放棄を検討する際、司法書士と弁護士のどちらに依頼すべきか、その費用の違いについてご紹介いたします。

司法書士に依頼した場合の費用

司法書士に相続放棄を依頼する場合、一般的な費用の目安は以下の通りです。

  • 基本手数料:1万5千円〜5万円程度
  • 実費:裁判所への申請費用や郵送料など、実際にかかる費用(数千円程度)

司法書士は主に書類作成や手続き代行を行います。相続放棄に必要な書類を正確に準備し、裁判所への提出手続きを代行することで、依頼者の負担を軽減します。ただし、司法書士は法律相談や紛争解決の代理人としての活動が制限されているため、トラブルが発生した場合は対応が難しいことがあります。

弁護士に依頼した場合の費用

一方、弁護士に相続放棄を依頼する場合の費用は、司法書士と比較してやや高めになります。一般的な費用の目安は以下の通りです。

  • 基本手数料:5万円〜10万円程度
  • 実費:裁判所への申請費用や郵送料など、実際にかかる費用(数千円程度)

弁護士は相続放棄の手続きだけでなく、法律相談や紛争解決に関する専門的なアドバイスを提供できます。例えば、相続放棄に関する複雑な問題や争いが発生した場合、弁護士は依頼者の代理人として法的手続きを進めることができます。このため、弁護士に依頼することで安心感が得られる反面、費用が高くなる傾向があります。

専門家に依頼するメリット

1. 手続きの確実性

相続放棄の手続きには、書類の作成や提出手続きが含まれます。これらは細かいルールに従って行わなければならず、書類の不備や手続きのミスがあると、相続放棄が認められない可能性があります。専門家に依頼することで、手続きが確実に進行し、ミスのリスクを減らすことができます。

2. 時間と労力の節約

相続放棄の手続きは、書類の収集や作成、裁判所への提出など、多くの時間と労力を要します。専門家に依頼することで、これらの作業を代行してもらえ、自分自身の時間と労力を節約できます。特に仕事や家庭の事情で忙しい方にとって、大きなメリットとなります。

3. 精神的な安心感

相続放棄は、家族や親族との関係に影響を与えるデリケートな問題です。専門家に依頼することで、第三者の視点から冷静なアドバイスを受けることができ、精神的な負担を軽減することができます。また、手続きがスムーズに進むことで、早期に問題を解決し、安心感を得ることができます。

当事務所の相続放棄サポート内容

相続放棄に関する無料相談実施中!

当相談室では相続放棄の無料相談を実施しています。

また、相続放棄以外でも相続のことなら何でも無料で相談いただけます。相続手続きや遺言書作成、成年後見など相続に関わるご相談は当事務所にお任せ下さい。

当事務所の相続の専門家が親切丁寧にご相談に対応させていただきますので、まずは無料相談をご利用ください。

予約受付専用ダイヤルは0120-079-577になります。

お気軽にご相談ください。

当事務所の相続放棄に関する料金表

相続放棄サポートパック

項目

意味

戸籍収集

相続放棄に必要な戸籍収集を行います。

相続放棄申述書作成

相続放棄を申請するための申述書を作成します。

書類提出代行

家庭裁判所への書類提出を代行します。

照会書への回答作成支援

家庭裁判所からの質問に対する回答書の作成支援をします。

受理証明書の取り寄せ

裁判所が相続放棄を受理したことの証明書を取り寄せます。

報酬額:1件55,000円(税込)~

※料金は、相続放棄1名様あたりの金額となります。 

3ヶ月期限超え 相続放棄申述書作成費用

1件 77,000円(税込)~ (※提供サービスは、上記と同じものとなります。)

まとめ

誰もが相続に直面する可能性があり、特に入院費用や借金が絡む場合には相続放棄を検討することが重要です。

専門家に依頼することで、手続きをスムーズに進めることができ、将来的なトラブルを避けることができます。また、不動産の解体費用なども含め、総合的に判断することが求められます。相続放棄は決して安い手続きではありませんが、負担を軽減するための有効な手段となります。

まずは、正しい知見と自己の立ち位置を把握するためにも、専門家に相談しましょう。