夫婦で遺言書作成

子のいらっしゃらないご夫婦は互いに遺言書を作成することがとても重要なポイントとなります。
夫婦で遺言書の作成を考える場合、一番の重要なことは相続人が誰になるか?
ということになると思います。

以下にて確認していきましょう。

子のいない夫婦で、夫が亡くなり、妻が残った場合

この場合の相続は、夫の両親がご存命であると妻の相続分は3分の2となり、残りの3分の1は、夫の両親が財産をの相続権を持つことになります。

つまり夫名義のご自宅も預金も、妻以外に、夫のご両親も財産のうちの3分の1を相続できる権利があるのです。夫のご両親との関係が良好であれば、トラブルに発展しないかもしれませんが、非常にもめる可能性が高いのが実情です。 

この場合の遺言書がない故に起こる問題

相続手続きを進める為には相続人全員の実印と印鑑証明が必要になります。
その為下記のような問題が発生してしまうのです。

  • 残された妻は夫の両親との関係が悪いため、夫名義の不動産の名義変更が進められない
  • 自宅を売却して1000万~2000万円の現金を作って、老人ホームに入りたいが、上記の理由で自宅の名義変更が出来ないので自宅を売却できず、現金を作れない
  • 夫の両親との関係性悪くないが、両親が高齢で認知症となっているため、相続手続きをするために、成年後見の申立てが必要となってしまって困っている

このような場合、夫が生前に財産を妻に全て渡す旨の遺言書を作っていれば問題ありませんが、子のいないご夫婦に非常に多くみられる問題になりますので、事前に対策することをおすすめいたします。

子のいない夫婦で夫が亡くなり、妻が残り、夫の両親も亡くなっている場合

子のいない夫婦で、さらに夫の両親が既に亡くなっている場合は、夫の兄弟がご存命であると妻が相続分は4分の3となり、夫の兄弟が残りの4分の1の相続権を得ることになります。

ここでも、残された妻が夫の兄弟との関係性が良好であれば問題ありませんが、そうでない場合は夫名義のご自宅も預金についても、夫の兄弟が4分の1相続する権利がある為、トラブルに発展しやすいのがなんとなくお分かりになるかと思います。

この場合の遺言書がない故に起こる問題

下記は現実的な問題として、寄せられるご相談内容です。

  • 夫婦で築いてきた財産の4分の1を夫の兄弟に要求されて困っている。 
  • 夫の兄夫婦との関係性が悪く、協力を拒否されてしまう
  • 夫の兄弟とは関係性が悪くないが、夫と同様に高齢であるため認知症となっており、相続手続きを進めるには成年後見の手続きが必要となる
  • 手続きが進まないので、自宅や預貯金の名義変更ができない。

まとめ

上記のように、遺言書が無い故に、残された自分の配偶者が困ることになりかねないのです。
ですから法律に従った形できちんと遺言書を残す事がいかに重要なことなのかご理解いただけたと思います。 

遺言書に対して、権利意識の高まった現代では、遺言書は「縁起でもない」と言ったものでは決してありません。
連れ合いの老後の人生を守る、非常に有効な生前対策なのです。

また配偶者のどちらかを心配されている方もいらっしゃいますが、どちらの立場であっても、この問題は当てはまりますので、お二人で一緒に作成される事をおすすめいたします